「月の満ち欠け」で直木賞を受賞した佐藤正午について

2020年4月27日月曜日

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2020年に入ってから、佐藤正午さんの小説ばかり読んでいる。

佐藤正午さんは、長崎県佐世保市出身で、大学在学中に小説を書き始める。
「永遠の12」ですばる文学賞を受賞し、作家デビューを果たした。その後、現在にかけてたくさんの作品を世に出している。

佐藤正午さんの本にドハマりしたきっかけは、本屋さんで何気に買った「月の満ち欠け」がものすごくおもしろかったからだ。ちなみに本作2017年に直木賞を受賞している。

「月の満ち欠け」は、簡単に言うと生まれ変わりの物語。一人の人物が30余年の歳月をかけて様々な人物に生まれ変わる。
読み始めたあたりでは、「なんのこっちゃわからんな」状態がしばらく続くが、物語が進むにつれ、ピースが集まるにつれ、もう読む手を止められなくなる。どこがどうつながっていくのか考えながら読むと更におもしろい。

「月の満ち欠け」を読んだあとは、「アンダーリポート/ブルー」を読み、「身の上話」を読み、「鳩の撃退法」を読み、「永遠の12」を読んだ。

完全に佐藤正午に心をつかまれた。どれも傑作だ。おおげさではなく、どの作品を読んでも全部おもしろい

めちゃくちゃ上からの発言になってしまうが、佐藤正午さんは文章を書くのがうまい。文章の書き方、言葉の使い方はもちろんのこと、文章の構成がとてつもなく上手だと思う。時系列にそって書くのか、過去と現在を交錯させながら書くのかなど、秀逸である。読んでいる間、いつ謎が明かされるのか、伏線回収の仕方、わくわくが止まらない。

「鳩の撃退法」は、「小説家の主人公が書いた小説を読む」という劇中劇のように物語が展開し、真実と”小説の部分”が交錯している。そのため、頭を整理しながら読み進めないとこんがらがってしまう。この本を読んだときは、わくわくして読みすすめたはいいものの、最後に肩透かしをくらったような、そんな気持ちがした。だからといって腑に落ちないオチということではない。読み終わってから、「そういうことか~?」と自分で解釈しながら、他の人の解釈を参考にしながら、ピントを合わせていく作業もまた楽しい。読んだ後も楽しめる物語だ。そしてもう一度読んでしまう。気になるところを読み返すうちに、「?」が「!」へ変わっていく。

そんな佐藤正午さんの本だが(どんなだよ)、大きい本屋さんじゃないとなかなか手に入らない(私はネットではなく実際に手に取って買いたい派なので)。小さい本屋さんでも数冊は置いているが、もっとたくさんの作品を読みたいな、と思っている人は大型書店にいかないと置いていないので注意。
まだ読んだことがない方はぜひ読んでみてください!きっと充実した読書の時間となります!

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兵庫県出身の20代OL。 映画や本について、日々の暮らしのこと、気ままに好きなことを書いています。

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