宮部みゆきの世界「長い長い殺人」

2020年4月30日木曜日

t f B! P L

数えきれないほどの傑作を世に出している宮部みゆきさん。
彼女のおすすめの本はたくさんありますがその中でも個人的に好きな
推理小説「長い長い殺人」を紹介します。

・中だるみなく一気に読める
・“普通じゃない”小説を読みたい人におすすめ


2.あらすじ(ネタバレなし)

ある晩、若い男性会社員が車に轢き殺される事件が発生する。はじめは、轢き逃げ事件と思われていた。しかし被害者の男性に多額の保険金がかけられていること、その妻には愛人がいることから、世間ではたちまち妻とその愛人へ「保険金殺人」の疑惑の目がむけられる。しかし、彼らにはアリバイがあり、捜査は難航する。
果たして犯人は誰なのか、またその動機は何なのか、、、

3.おもしろポイント

★財布が語る!?

\\なんと、語り部が財布!//

事件に関係する刑事、探偵、目撃者、、、など10人が主な登場人物。
その10人が持つ10の財布が、リレー形式で語っていきます。またそれぞれの財布が、「持ち主」についての知られざる一面を読者に教えてくれます。

各財布には個性があり、一人称が「私」であったり「ボク」であったり、話し方も性格も違います。その個性がとても魅力的で、おもしろい。読み進めるうちに、きっとお気に入りの個性を持った財布が出てくると思います。


★限られる情報
視点が財布なので、持っている情報が限られています。
財布がカバンやポケットの中に入っていて持ち主の行動が見えずもどかしかったり、、。
このように、持ち主と一緒にいるからといって、すべてのことが見え、聞こえているわけではありません。しかし情報が限られているからこそ、読み手としては想像する楽しさがあります。


4.感想・まとめ

こんなに斬新な小説を読んだのは初めてでした。
「財布」が物語を語りだした時点で一気に心を掴まれ、そのままの勢いで読了。
確かに財布は誰でも肌身離さず持っているものなので、これを持ってくる着眼点はさすがだなと思いました。

各篇でそれぞれ別の財布が語り手となっている構成なので、長篇小説というよりは連作短篇集のようでした。そのため、とても読みやすかったです。
また、各財布が別々の視点で語っていき、それを繋ぎ合わせることで事件の全体像が見えていく感じが良かったです!

ただ、本格推理小説が好きな方には少し物足りないかもしれません、、、

本作は映像化もされているようなので、ご興味ある方はそちらを観てもおもしろいかもしれません。
とてもおすすめの小説なのでまだ読んだことない方、ぜひ読んでみてください!



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兵庫県出身の20代OL。 映画や本について、日々の暮らしのこと、気ままに好きなことを書いています。

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